スキル重視の採用が企業文化と合わず早期離職を招いたため、採用基準とプロセスを明確化することで離職率を下げる取り組みを見つけたので整理しておく。
スキル重視の採用による問題点
かつて、スキル重視の採用を行った結果、企業文化と適合しない人材が増え、早期離職が続出しました。一時は社員が社長1人だけになる事態に陥り、業務委託のメンバー10人でなんとか業務を回していたこともありました。このような事態が発生した原因は、採用フローや基準が曖昧で、企業文化が十分に言語化されていなかったためです。これにより、適切な人材を明確に選定できず、採用が失敗に終わるケースが多く見られました。
解決策:採用プロセスの再定義
この失敗を踏まえ、採用フローと求める人物像を明確に定義しました。具体的には、応募者全員に最低2回の面談を実施し、1次面談には必ず2人以上のメンバーが参加するようにしています。また、3ヶ月以上のインターン期間を設け、その間に社長が直接面談を行い、適性を評価しています。
採用決定には半年間の試用期間が必要であり、その中で企業文化や価値観の一致が確認された場合のみ正式採用に進みます。さらに、スキルよりもマインドセットを重視することで、スキルとマインドのバランスを考慮した採用方針にシフトしました。
採用基準の明確化
新しい採用基準では、マインドが高く、スキルがBランク以上の人材を求めています。中途採用の場合、スキルが一定水準に達していれば月額40万円スタートの給与体系を導入し、長期的な貢献を期待しています。
面接では、候補者の強みを明らかにするため、コンピテンシーに基づいた質問を事前に準備しています。インターン期間では厳しい評価を行い、約7割が残り、3割が離職する結果となっています。
組織拡大に伴う課題とその対応
組織が30人、50人、100人と拡大するにつれて、コミュニケーションの減少や評価の不公平が課題となりました。特に「30人の壁」と呼ばれる組織内の摩擦が目立ち、残業する社員とそうでない社員の間で評価の不公平感が生じました。これに対応するため、事業部ごとのマニュアルを整備し、評価基準を統一することで、組織の安定性を確保しています。
「関係の質」の重要性
売上の向上には「関係の質」が重要だと考え、社員間の信頼関係を最優先しています。結果だけを追うのではなく、クライアントとの関係や社員同士のコミュニケーションを重視し、ポジティブな行動と成果を引き出す「良好なサイクル」を目指しています。
具体的な取り組み
- 全社ミーティングの実施: 社員全員で「3つの約束」や「7つのらしさ」を共有し、自己評価と他者評価を通じて全体の目標を共有し、一体感を高めています。
- コミュニケーションの改善: 社員は互いを名前やニックネームで呼び合い、良い点をSlackで共有する文化を推進。また、全員の誕生日を祝うことでチーム内の絆を深めています。
- 社員・家族との交流: クライアントや社員の家族への贈り物、オフィスでの交流会、イベントを通じて社内外でのつながりを強化しています。